やっぱりだめだった

 

一生抱えていかなきゃいけない膿みたいな澱んだ気持ちを誤魔化しながら生きるのはいつ終わるんだろう。

手術したら治りますとか、この薬を飲んでいれば症状は出ませんとかいった絶対な安全が欲しいのに、現実はそう甘くはなくて、誤魔化す力も次第に無くなってしまった。

 

私の心の隅が暗い気持ちで染まっているのを、ずっと隠していくつもりだった。仮に何か挫けても、「頭が痛くて…!笑」なんて言って誤魔化し続けようと思っていた。

そんなこと、出来るはずもなかった。数日頭痛で誤魔化したものの、仮病くさい言い振りに自分が耐えられなくなって、連絡さえ出来なくなった。自分が怠けているだけで、普通の人は普通にこなしているのだろう。こんなことを病気らしく語ったところで甘えとしか思われないのだろう。誰も責めていないのに、勝手に自分で自分の首を絞める。ベッドから出なくてもスマートフォンで連絡くらいできるのに、そんなことも出来なかった。

振り返っても自分が怠けているようにしか聞こえないから、「しっかり療養して」という言葉が他人事に聞こえる。曖昧に笑いながら「そうですね」と口にした。

 

 

数年働いた身であれば、心を病んだのは100%会社のせいだと開き直れそうだけれど、入って半年も経たない私がそういった意味合いの面談に参加するのはおままごとのようだった。

週末に控えていたはじめての出張も、厳しいだろうと判断された。出張の日に普通に出勤すると同期や先輩が「あれ?なんでいるの?」と声をかけてくる。同期は事情をやんわり知っているけれど、部署が違う先輩はどこまで知っているのかわからないから消化不良のままなんとなく会話を終わらせる。申し訳ないというか、いたたまれないというか、その日はずっと頭に靄がかかったようなまま仕事をこなした。

 

薬を飲んで少し情緒は安定したけれど、自分の身体を管理できなくなってしまっているから37.0℃程度の微熱を抱えたまま生きている。このご時世に微熱があるというのは別の意味で不安が生じるので、どんどん心の余裕が削られていく。ただ、明確に数字に不調が表れてくれると、私が弱っているのが他人から見ても明確になるので、その点ではちょっと良かったかもしれない。

 

毎晩2錠飲み続けて2週間が経つけれど、未だに錠剤を飲むのが下手で、喉にくっついて嗚咽が漏れることも多々ある。

完治なんてないけれど、どうかはやく治りますように。うまく誤魔化せるようになれますように。