社会の壁

人と会うのが好きな私は、コミュニケーションツールの一つとしてお酒を嗜む。お酒を飲むことで物理的居場所も増えるし、会話も弾む。だから単に騒ぐのではないお酒の使い方は有効だなあと思っている。

 

この間、人間と話していたら「男と2人きりで飲みに行ったの?」と言われた。まあ事実そうだしウンとしか答えられないのだけど、そう言うと次に口から出るのは「大丈夫だった?」

私はそのことになんだか不満な気持ちが溜まってしまって、露骨に嫌そうな顔をしたかもしれない。刹那後に「そんなわけないじゃん〜!」とおちゃらけたけれど、そんな気持ち悪さに相手は気付くそぶりもなかった。

 

クモニマゴウを度々目にしてくれる方ならわかるかもしれないけれど、私は女です。女が男と2人で飲みに行く、これは世間一般では「大丈夫?」と心配されるようものなのか。社会不適合者のわたしにはさっぱりわからなくて、私に説明しようとする人間を気持ち悪いとさえ思う。

そういった被害にあったことがないからそういう軽率なことを言うのだよ!と思われるかもしれないけれど、私自身痴漢などは体験したことがある。異性と飲むことで起こりうることもわかっている。

「私たち女は一生異性に怯えて生きていかなければならないのか」

 

一緒に飲みに行くだけで「男が何か卑猥なことをしたのではないか」と安易に人を疑うのが恐ろしいと思わないのだろうか。

万が一何かあったとしても、それは女→男だって女→女、男→男だってあり得る話でしょう。何故男女で飲みに行く際に女が絶対的被害者でいなければならないのか 。

 

明らかに女の子な女の子が飲みに行って「危険に晒されるのではないか」と心配されるのは100歩譲って理解しよう。でも私が心配されるのはよくわからない。

男と飲みに行くことはそんなに珍しいことじゃないし、食う食われるなんて結局は相互の同意からなるものだと思うし、そこを男に全責任転嫁するのは気持ち悪くないのか。

 

飲んだだけでそういった何かを想像されているのも気持ち悪い。私が有り得ないと思ってる相手だから絶対有り得ないでしょう、と言っても顔を顰めるのだから私は何も言えなくなる。

そういう想像をされる方が、私としては大きな傷になるよ。

 

 

なんてことをウンウン考えていたのだけど、結果私が社会に参加していないからそう思うだけであって、社会ではそういうことが当たり前らしい。

私は当たり前を気持ち悪いと思える自分の感性を信じるけれど。