地球の裏側まで

昨日ピアスホールを増やした。思っていたよりも痛くなくて、こんなもんかと思ってしまった。人が耳を触るたびに多少の痛さがあるけれど、その程度の痛みだった。

これで5つ。

 

最初に穴を開けた時も私は恋をしていて、なんらかの形で残そうとした結果だった。

それからの3つは半ば自傷的な気持ちで増えていった。ピアスホールが増えていくたびに親の望む模範的良い子な私からは乖離していった。

 

 

昨日は地球の裏側に行ってしまう彼のために肉じゃがを作った。

肉じゃがなんて作ったことがなかった。

なんとなくそれらしく出来たけれど、人参が思っていたよりも固かった。食べれないほどではないけれど、凄く残念な気持ちになった。彼はニコニコしながら食べていて、私はなんだかソワソワしてしまった。人に自分の料理を食べさせるのは得意じゃないなと思った。薄いかな。濃いかな。甘いかな。しょっぱいかな。

 

 

本当にこの人は行ってしまうの?というくらいには準備が出来ていなさそう。荒れた部屋。その中で1人だけポツンと座っている。勝手にBluetoothで繋いだスピーカーからは私の好きなFINLANDSがかかっている。急に寂しくなってしまった。

紅茶を淹れて飲んでみたけれど、1人で飲む紅茶はなんか変だった。2人で買ったキャンディスを入れた。

 

冷蔵庫には賞味期限が今日の卵と、未開封のウィンナーが入っている。あたりは散らかっていて、パッキングの際に諦めたのであろう服があちらこちらに落ちている。申し訳程度に私に宛てた手紙が封筒なしで机の隅に置いてある。その上にはサラサの黒ボールペンが置かれている。

この人は私がいないとダメなのかな、なんて傲慢な気持ちになる。私もしっかりした人間じゃないのでこういう適当なところに安堵もする。私も頑張らなくて良いんだろうな。

 

前の恋はお互い良い部分だけを見せて疲弊したのだろう部分があったから、雑でも適当でも自分を見せてくれるのが非常に嬉しいなと思った。

 

 

今までの恋愛と比較してなるべく客観視しようと努めているのだけど、あまり今までの恋愛を覚えていない。告られて断る理由がなければOKしていたし、それはそうという感じだけれど。

相手は相性がいいなんて過大評価してくれるけれど、私はイマイチどうなのかわからない。なにか合ってるかな。(因みにこれは精神的相性の意味であるので、変なことは考えないでいただきたい)

 

あと25日待てば会えるらしいけれど、21歳の25日間と24歳の25日間って同価値ではない気がする。どっちがより稀少だなんてことは言わないけれど。