汚い言葉

 

24歳になると(というか所謂社会人になると、と言うべきか)自分の年齢と趣味嗜好が合わなくなってきたりして、他人と自分の考えの歪みにハマって動けなくなってしまう。

 

その中で代表的なものを挙げるならば「ファッション」が顕著だろうと思う。

友人と会うたびに「若いうちに若い服を着るべき」だとか「可愛すぎて着れなくなってしまった」というような話をきく。膝上のスカートとかフリルとか、もう私じゃなくなってしまったと手放す服が多いとか。

確かに自分の趣味嗜好とズレてきて「可愛いけど着たく無くなってしまった服」というのは結構ある。まだ着れるけれど、デザインが幼くなってしまったと思ったり。私自身ピンクのフリフリが好きなので(似合わないというのを知ったので課金しようとは思わなくなった)ある程度折り合いがついてからは丁寧にゴミ袋に投げ込んだりした。もしくは人にあげたい。

 

自分でもそういう決断をしているくせに他人に言われると反発したくなってしまう。若いんだから肌を出さなきゃいけないっていう一般的な言葉が、「歯を白くしなさい」「毛を無くしなさい」みたいな電車の広告のように刺さる。自分でしたくてやってるなら良いけれど、他人に強制されると途端になぜそれをしなければならないの?と問いたくなる。

若いから肌を見せる格好をしたいんじゃなくて、その格好を可愛いと思っているからそういう格好をするんじゃないのだろうか。おばさんになってから肌出すなんてみっともないでしょ、と言うけれど、わたしはそうは思わないし、他人の容姿にそこまで突っ込めるのはある意味不躾だと思う。

 

街中を歩いているときに「あの格好無いよね」と道ゆく人の服装を貶しているのを見ながら、彼女の首を絞めているのは正しく彼女なのだなあと感じた。

人々が貶しの対象とするaxesとかそういった系統の服も、その人が好んで着ているならそれで良いと思う。寧ろそれが好きな人間に対して例えば無印良品的な服が似合うよと言うことの方が暴力的だと思う。業務上TPOに合っていないなど、確実に迷惑をかけている状態ならば指摘するのは英断かもしれないけれど、日常の、街中を歩く上で評価してしまうのは如何なものなのだろうか。

 

なんとなく嫌な気持ちがして「その人の世界観なんだろうね」とぼかして逸らしたけれど、その場の雰囲気に流されずに失礼じゃないかと怒ってもよかったんじゃないかと思っている。

でもそんなこと口にしたら、確実に彼女の短所を攻撃することになってしまうし、わたしが話して聞き入れてくれそうもないから言わなかった。頭の中で「あの時じゃあなんであなたは痩せないの?」と言ってしまっていたら。

 

その言葉はわたしが本当に言いたいことではなかったし、浅ましいから、何度その場を繰り返しても言わなかっただろうなと思う。