私仕様の世界

 

友達と話したら、どうも私は我儘らしい。

 

妹だし、姉だし、3人姉弟の真ん中である私は人よりも我慢強くて従順で模範的であると常に思っていた。今でも「我儘か?」と聞かれるといいえと首を振りたくなる。

確かに私の振る舞いは我儘な少女のそれを目指している。良い子すぎるといじられることもないし、周りは仲良く貶しあっている中で自分だけ褒められるのはあまり良い気持ちがしていなかったから。何か抜けていた方が可愛いのだと、生きていく中で知ってしまった。

 

将来は研究者に貢ぎたいのだけれど、こんな自分では研究者を捕まえるのもままならない。私は自分に興味無い人が好きだ。でも、興味がない人は私の我儘ぶりに溜息をついてしまうだろう。私の野望は風前の灯となっている。

 

何故研究者が良いのか。

それは私の周りにいなかった人種だからだと思う。

父はサラリーマン、母はパート、叔母は看護師、叔父は医者、伯父は警察官。従兄弟のお兄ちゃんは院に行ったけれど、それ以外の親類は学部卒。世界の上澄みだけを見ている感じがする。それが不満とかはないけれど、私が視野を広げて世界を広げたせいで、今まで生きて形成された価値観全て物足りなく感じてしまったのだ。

 変化のない人生は至極つまらないものだと思う。自分のテリトリーを汚されたくない人、殻に引きこもっている人、井の中の蛙。私は蛙になりたくないなあ。自分は嫌いな人がいる、だから嫌いな人を自分の世界から排斥してプカプカ生きる、…そんなのって物凄く向上心がないし、子供騙しだし、お飯事だと思う。

だから私は自分にとって毒だったとしても異なるものを取り込みたい。本当は勉強できる人を近くに置くことはコンプレックスを抉りに抉ることだし、好ましくないんだ。だけどそうしてでも得たい世界がある。私はこんなところで浮かんでいられない。

だって私にこんな世界似合わないと思うから。

 

こういうことを本当に思うから傲慢だ我儘だと言われるのだと思う。でもそうでしょう。私に見合わない世界が悪い!

恋人と上手く続かないのも、私を手懐けられない相手が悪い!(そりゃまあ我儘な私が最大の原因だとは思ってます)

 

私の人生を滅茶苦茶にしてくれる人が欲しい。

そんな人はきっと私に目もくれず彗星のように傍をスイスイ通り抜けていくんだと思う。私はそんな彗星を手にしたい、自分の身が千切れても。

一生懸命になってやっと得たものこそ価値があると、私は知っている。