桜の季節

卒業、入学といえば桜というイメージが一般的なのかもしれない。私が住む街での卒業式は当たり前に雪が残っていて、運が悪いと雪が降っている。入学式は雪が溶けて乾いて、靴を汚さず歩けるようになったくらいに行われるので、タンポポすら咲いていなかった気がする。桜と共に節目のイベントを迎えられることは、少し羨ましいような、俗っぽくて跳ね除けたくなるような、そんな微妙な気持ちで考えている。春生まれなので、桜は勿論好ましいと思っているのだけれど。

 

去年は就活もあって東京によく足を運んでいて、新宿御苑の桜を友人と歩いて眺めたりした。

一昨年は私の誕生日(4月中旬だけれど…)に京都へ行って、花が落ちかけた桜を見た。桜が目的ではないけれど、道中に咲いているとやはり嬉しくなる。

北海道では毎年ゴールデンウィーク頃に咲くので、早朝に家を出発して車で数時間揺られて、函館まで桜を見に行ったりしたこともあった。私は車酔いが激しい方なので、そのせいであまり桜が好きじゃないのかもしれない。完全とばっちりだけど、なんとなくよそよそしい態度をとりたくなるのはそういうことなんだと思う。

 

桜の匂いは好きで、毎年桜の匂いのフレグランスを見かけるとつい手に取って匂いを嗅いでしまう。香水を毎日使う習慣がないこともあって結局買わないのだけれど。桜の匂いのする女性には少し憧れてしまう。

食べ物としての桜は癖があるから嫌いな人が多いけれど、匂いが嫌だという人は見たことがない気がする。(そもそも食用にする花で1番親しまれている花は桜だと思うから、そう考えれば日本人ってやっぱり桜が好きなんだね!と言いたくなってしまう。私も好きだもの。)桜自体の桜の匂いというのはイマイチ感じたことがない気がするけれど、桜の匂いを知っているというのはどういうことなんだろう。「芳香剤の匂いの味」みたいな現象と一緒だろうか。

 

 

今年度私は進級したり進学したり就職したりといった変化がないまま生きてしまっているけれど、そんなのって浪人した時以来だなあ。4年ぶりに虚無を味わっている気がする。やることはわかってるし、去年よりは穂を勧められる気がするけれど。どうしても自信がないというか、後ろめたい気持ちが強くなってしまう。健やかに生きたいのになあ。

 

おめでたいひともおめでたくはないひとも、一緒に少しずつ頑張れれば幸いだと感じます。私も1日1日着実に積み重ねてがんばります。どうか潰れずに。どうか腐らずに。生存するだけで勝ちです。