青春が過去になってしまう

 

嵐がいない世界を生きる覚悟は出来たけれど、数年経って小中学生が「嵐というジャニーズのグループがあったらしい」という認識で嵐を知る世界で生きていける自信がない。

 

わたしは1997年に生まれ、1999年に彼らがデビューした。物心ついた時には嵐は十分すぎるくらいに国民的アイドルで、例に漏れずわたしも嵐ファンであった。

何がきっかけかというと、小学校高学年から中学校にかけて来るだろう男性アイドルブームに乗っただけである。特別何かで好きになったわけでもなく、周りとコミュニケーションをとる上で重要だと思ったので「嵐が好きだ」と言っていた。

多分どこでもあるでしょう、異性や恋に目覚める時期。そんな時に男性アイドルブームが来ると思っています。わたしの周りではそうでした。

すごく熱心な子はお金を払ってファンクラブに入り、ジャニーズショップに行ってはブロマイドを買ったりしていた。パソコンを立ち上げることさえ億劫に思っていたわたしはインターネットを駆使して課金することは思いもつかなかったし、何より周りに乗じてファンになっているようなものだったのでほぼ無課金ファンだった。

それでも嵐は偉大な存在なので「嵐の宿題くん」や「嵐にしやがれ」、「VS嵐」など無料でご尊顔を拝めるコンテンツが充実していた。テレビの内容も家族みんなで楽しめる内容だったので、チャンネルを支配しても文句を言われなかった。国民的アイドルっていいね。

 

そんな風に中学までは嵐に浸かった生活をしていたのだけれど、高校に入ってからはあまりテレビを見なくなったのと周りに熱心な嵐ファンがいなくなったことでわたしの中の熱も冷めてしまった。TVで見かけたら「ニノは可愛いな〜」と思うけれど、自分から熱心に追うことは無くなった。それでも本業は歌って踊る方なので、店の中だとかCMで嵐の曲を耳にしてはいた。積極的に寄り添うことをしなくても私たちに寄り添ってくれている。本当に国民の宝じゃないかと思う。すごいよ。

大学生になってからは高校以上にTVから離れてしまって、嵐の存在も忘れつつあった。

大学生2年生のころに今の恋人と付き合ったのだけれど、最近になってお互い嵐の曲をよく聴いていたことに気付いた。彼の妹も嵐ファンだったらしい。それを聞いてからというものよく嵐を聞き返すようになった。

 

 

アルバイトをしていると自分より10も歳が離れた子供と話すことがあるのだけれど、その子たちは(当たり前だけど)YUIを知らない。

わたしにとってはYUIも青春の1ページを飾るアーティストなのだけれど、現在もコンスタントに曲を提供してくれているわけじゃないから風化してしまう。「指先で送る君へのメッセージ」と言ったら伝わるかもしれないけれど、確実に昔の人なんだなと思われるだろう。

仕方ないけど、休止がずっと続くのであれば嵐もそういう風になっていくんだろうと思う。切ないけれど。人は老いるし、流行は目まぐるしく変わっていく。わかっているけれど、少しずつ朽ちていく様はこっちまで切なくなってしまうからどうしようもない。

 

 

これからも個々で応援したいとは思うし、あわよくば再集結して一夜限りでもパフォーマンスしてくれないかしらなんて思うけれど、あの頃の輝きはもう失われたものなんだろうな。

わたしも、彼らも、世界も、少しずつ変わっていく。