Shape of water is shape of love

映画シェイプオブウォーターの感想及びネタバレ含む思考の垂れ流しです。

 

 

友達と遊んだ帰りに大通の地下で見たポスター。青緑を背景として妖怪と人間が抱き合っている。それが妙に頭にこびりついていて、なんだかこれは見に行かなきゃいけない気分になった。

映画は1、2時間に1500円を溶かすものであるし、正直あの窮屈な(仰角と背もたれの角度が妙に食い違う)座席があまり好きではなかったので見に行くことはあまりない。だから見に行かなきゃと思うだけで私の中では何か意味があったのだと思う。

それでも1人で見に行くのはちょっと勿体ない気がしたのであらゆる人に声をかけると彼女持ちの男の人が声をかけてくれた。

(ここ最近男女関係でいざこざあったので内心ちょっと怯えていたけれど、よく考えたらこの人と前にも会っているし、この人と彼女さんの間では「(滅茶苦茶可愛い)女友達と映画」という状況はなんらやましい事でもないんだろう。こういうの羨ましいよね。)

 

映画を見た第一印象。

私と他人との差異、差別、線引き。あなたが思っている世界のこうであろう姿は本当に正しいのか?

主人公が話せなくて、友達と言えるのは隣人の売れない絵描きと職場が一緒の黒人で、海底人に惹かれて…物語の主軸にいた人たちは全て「普通」から外されている人たちだった。最初は何も感じなかったけれど、物語が進んでいくたびに彼女らが抱えている壁を感じた。私たちが難なくこなしていることは、決して万人にとってもそうではないのか。

 

全体的な話の展開はあまり好きではなかった。なんというか、安直でありきたりだと思った。声帯を傷つけられた傷がエラに変わるシーンも、首元の傷があからさま過ぎて「エラに変わるんだろうな」と予測できたからハッとさせられはしなかった。

(物凄く余談なのだけど、傷跡ならリストカットアームカットの方がメジャーだしトリックに引っかかりにくいからいいと思う。でも手首や腕にエラが出来るのはちょっと面白いな。エラとしての機能を考えたらそこにあるのは不都合過ぎない?という科学的指摘は結構です。)

だけど、人の心情を描くのが物凄くうまくできているなと思った。

主人公が自分のことを障害者だという目で見ない海底人に惹かれるのも納得がいくし、主人公とその友人たちは不幸な境遇にいるからか結束が固いのも最もだ。博士が自分の知的好奇心とか科学への崇拝で海底人を殺めるのを阻止したり、アメリカ軍人のお偉いさんみたいな人が人一倍世間体を気にしていてそれで攻撃的になっているとか。細かに描かれているわけじゃないけれど、登場人物のあれそれが浮かび上がってくるのは流石だなあと思った。

 

多分監督は結果じゃなく過程を見せたかったんだなあと思う。最後めっちゃ駆け足で物事が進むから涙腺が大慌てだった…。

 

ちなみにこの映画で私が最初に泣いたシーンは軍人が海底人を罵倒しながら暴力を振るうところ。何故泣けたって、恐らく私のトラウマと重なるんだろうなあと思う。

目が恐ろしく痒いので取り敢えずこんなもんでおわる。