哀れとは

※映画「哀れなるものたち」の感想です。ネタバレ要素を含むので見たくない人は注意してください。 私が憧れるかっこかわいいお姉さんがストーリーでこの映画の試写会に行ったというのがきっかけで、わたしも見てみたいなと思った。 「感動」、「全世界が泣い…

多分世の中筋肉

ずっと買い逃していた、デザート用の小さいスプーンを買った。すぐ無くなるようなお店じゃないからいつでも買えるのにいつも忘れるから、買えたことでちょっと偉いじゃんって自分の背中を押せた気がする。 帰ってきたら一緒に飲みたい緑茶も買った。季節限定…

マインド

帰ってくるまでにはもっと可愛くなっていよう。帰ってくるまでには、もっと部屋をきれいにしておこう。帰ってくるまでには、もっと、もっとと考えているうちに、自分の理想がどんどん高くなって、自分ではできない位になっていて、できないことが悲しくて、…

お姫様ではなかった

結婚は墓場だ、というような言説を聞いて、そもそも期待もしていないからそこまで絶望するものでもないと考えていた。 今思えば絶望したくないから期待していないふりをしていた。本当はお姫様扱いが良かったし、唯一の存在が良かった。嘘でも私の前ではそん…

いつか死ぬ

急いで、やり残したこと、やってなかったこと、やり忘れていたこと、やりたかったこと、やってみたことをやらないと。 最近の私は何となく焦っている。 実際にタスクが重なっているというのもそうだし、年齢的に、先が短いような気がしている。 数年前に何気…

いつまでもあなたはわたしの天使

初めて会った時がどんな風だったか、昔すぎて覚えていないけれど、会う前から天使のような小悪魔のような、人を魅了する何かを感じていた。 仲良くなりたいと思うのも烏滸がましいような雰囲気を、当時も、今も、感じている。人の好意をそのままの意味だけで…

オンとかオフ、主にオフ

大学生の時にはよく飛行機に乗ってインターネットで知り合った人と会うことをしていた。 知らない人なのにわたしの一部を知っているのが、面白くて。普通に生きているのでは出会えない人に会えるのが楽しくて。振り返ってみると危ないこともしてきたのかもし…

過去をわりきって。

過去だからこそ、過去と捉えているからこそ、ぼんやり考えを巡らすことがある。 「もしわたしがあのときこういった選択をしていたら」 決して今の自分を悲観するようなものではなくて、あくまで、パラレルワールドの自分はどうなのだろうかというような妄想…

どうしようもなくない

出鱈目なタイピングが日に日に早くなってきてしまっている。よくないなあ。 直さなきゃとは思うのに、面倒で直すことをしない。 机の上に積まれた書類も同じもの。 学校やら職場ではなんかでもらったすぐ捨てるのはいけないような紙の束が どんどんどんどん…

強い女とは

弱い女、何も出来ない人間だと思わせたら負けだ。 自分を下に見るような人間とは、付き合っていても辛いことばかりだろうなあとぼんやり思う。友人関係の断捨離、ではないけれど、好意を持たれていないのに友人をやるのは少し疲れるなあと知ってしまった。 …

タイムマシンより

新たなマシンを手に入れた。 なぜこう道具が変わるだけで生まれ変わったような、旅行したような気分になるのだろう。 iPadを使えば絵が描けるしデザインもできるじゃないか、と思って手にしたはずなのに真っ先に行ったのは、いつも通り文章を垂れ流すこと。 …

発生、変身

その時期には自分も生まれ変わって、今のほのかに後ろめたい人生とは縁を切っているんだろうと、無理やり希望に縋っていた。 不幸じゃないけど、幸福でもないみたいな。お腹が空いたけど、食べたくないみたいな。どうしようもない不満じみた何かを抱えて生き…

価値

ずっとベッドに横になっていると、自分の形に汗染みが出来てしまっているんじゃないかとゾッとする。活動をせずほぼ24時間居座る布団の汚さを感じながら、そんなものにも包まりたくなる自分の弱りを感じる。 あまり気が落ち込んでいる時に文章を残すべきでは…

やっぱりだめだった

一生抱えていかなきゃいけない膿みたいな澱んだ気持ちを誤魔化しながら生きるのはいつ終わるんだろう。 手術したら治りますとか、この薬を飲んでいれば症状は出ませんとかいった絶対な安全が欲しいのに、現実はそう甘くはなくて、誤魔化す力も次第に無くなっ…

生活すること

いつまで明るい自分を演じ続けられるのか、自分でもわからないから極めて普通の人のフリをする。事前に自分は暗い人間だと伝えた方がいいのか、無用な心配をさせずにその時まで誤魔化すべきなのか。どちらが良いのかはその時にならないとわからないだろうな。…

遠くの花火

流れる景色が夕日を塞いで、瞬きをするみたいに視界が明暗する。大きな鉄の塊に揺られながら、これから毎日同じような景色を見る。 高校生の頃から使っていた路線で、何も変わりはないはずだけれど、あんなに教科書が詰められていたリュックはもうないし、ス…

うるさいどっかいけ

昔は焦がれて仕方がなかった人間がどんどん魅力的でなくなってしまう。顔とか学歴とか年収とか、どんなに装備を強化していても、最終的に行き着くのは「わたしに優しくないひと」なんだから。 今も昔も恋愛という曖昧で不定形なものが好きだけれど、今のそれ…

週末の拡張=世界の拡張

コンビニに行くように飛行機に乗って遠いどこかへ行く。年々最低限の自分の荷物が増えていく。化粧品の量が増えて服も嵩張るようになって、もっと気楽に何も考えず赴きたいのに、見栄とか年相応でいなきゃという気持ちが邪魔をする。それでもふと何もない週…

旅先

再生。自分を再生するために京都に行ったと言っても過言ではないかもしれない。 久しぶりに降り立つ京都は以前と全く違うのではないかと少し心配だったけれど、その心配はまったくの杞憂だったと思う。多少店が変わっていたりなどの変化はあったけれど、望ん…

不安と不調

昨年は頑張りすぎないように過ごしていたからか、そんなに疲弊することがなかったような気がするのだけれど、今年に入ってなんだか少しずつ憂鬱が溜まって自分で自分の調子を整えるのが難しくなったような気がする。 一昨年起こったみたいな息苦しさや目眩や…

尺度

歳を重ねるごとに西暦が変わる瞬間に特別感を感じなくなってしまう。そりゃあ自分にとって5回目のそれと、24回目のそれでは珍しさが違うのだから仕方ないのだろうと思う。 少しずつ刺激に鈍くなっていく。自分が何か失敗した時も「まただ」と第三者目線で落…

健康であれば、

もう燃えるような恋はしないのだろうなと思う。 破滅しかない恋愛の方が嫌でも心に刻まれるから好きで、でも望むから得られるものでもなくて、自分の時間を結局は意味のないことに費やしてしまうほど若くもなくなってしまった。 今は十分幸せで、この人とな…

わたしのこころをあらうもの

「ジョゼと虎と魚たち」という映画に出てくる妻夫木聡が(髪型とか雰囲気とか主にビジュアルにおいて)恋人に似ているということで、なんとなく興味はあって、 尚且つわたしがカッコいいなあと思っている友人もオススメしていたような記憶もあって、 Amazon pr…

大学生活、ラスボス戦

2年ぶりにまともに対面の授業に出席した。 私が本格的に精神を疲弊させてしまったのが3年の後期からで、4年の前期は授業に全く出ず、後期は大勢が受ける聴いていればいいくらいの必修の単位をオンラインで受け、5年の前期は少人数のオンラインだった。 何処…

2回目の10月

10月という季節が再びやってきてしまった。 昨年の私はというと、卒業論文に一切手を付けておらず(中間発表等も卒業要件のひとつだったはずなので)実感はしていないものの留年という事実が差し迫っていた。最悪なことに半期休学するなどの措置をとる余裕さ…

息継ぎとそのあと

私は勉強が得意ではないので、勉強をし続けられる人、つまり研究者という立場の人に非常に憧れている。 小中学生の頃は所謂井の中の蛙で、知識を蓄えれば蓄えるほど先の景色が見えるようになった気がしていた。知識は私をどこか広い世界に連れて行ってくれる…

ひとりになりたい

ここ最近、うまく文章が打てなくて少し悩んでいた。 4日に1度のブログ更新も放棄して、卒論を書くのも中断して(本を読む作業を延々行っていたのでサボっていたわけではないと言いたい)、ただひたすらSNSを見たり、趣味の本を読んだり、ゲームをしたりして…

私は誰のものでもないし、誰にもわかられたくない

先日、小学・中学の同級と久しぶりにSNS上で再会した。 彼女は転校してきたからか皆んなの人気者で、よく笑い、皆んなに優しく、愛されていた。私も彼女のことが好きだったし、彼女を嫌う人なんていないんじゃないかというくらいには邪心がなくて真っ直ぐな…

悪と見做してもいい?

この間久しぶりに会った友人に、なぜ話したくなったのかわからないけれど自分の過去のトラウマの話をした。 たしかその前に「告白は2人の間柄を崩壊させるから好ましくない」という話をしていて、それはたとえ一方が気まずくならないように振舞っていたとし…

痛みを自分のものにする

美術作品や映画や小説、何でもいいから他者を引き摺り込むもの。そういったものが自分の奥深い部分に刺さる気がするのは痛みを伴っているからだと思う。 わかりやすく言えば、いじめられた人にいじめが題材の何かをみせれば、いじめと関わったことのない人(…